なすべき貢献について最優先でコミュニケーションを図る【経営のヒント 590】
しばらくの間、人のマネジメントに関してまだ触れていない部分をフォローしています。
今日もドラッカー教授が示したマネジャーの5つの仕事(以下に再掲載)の中から
コミュニケーションを取り上げます。
1.目標を設定する
2.組織する
3.動機づけとコミュニケーションを図る
4.評価測定する
5.人材を開発する
前回は、ドラッカー教授が示したコミュニケーションの4つの原理を説明しました。
コミュニケーションがテーマになる場合、ほとんど、「どうやってコミュニケーションをとるか」
という方法に焦点が当てられ「何についてコミュニケーションをとるか」に触れられることは
ほとんどありません。
コミュニケーションをとる場面が多様だからでしょう。
しかし仕事を行う現場であれば、これにつてはマネジャーと部下の間において最優先で
コミュニケーションをとるべきというテーマがあります。
このテーマを横において最優先で図るべきコミュニケーションはないといえるでしょう。
「あなたは組織が成果をあげるためにどのような貢献をなすべきか」というテーマです。
自分の持てるスキル、知識、経験などを使ってどのように貢献するかということです。
やり方は、いろいろあると思いますが、例えば年度初めの面談で今年、チームにどのように
貢献したいと思っているかについて意思疎通をしておきます。
時には、組織の成果をよく理解しているマネジャーの期待と異なることもあるかもしれません。
その場合のマネジャーの正しい行為は、貢献の仕方の変更を求めることです。
その際に部下の強みを生かし、さらにその強みを伸ばすという視点は欠かせません。
マネジャーの力量が試される場面です。
「ベクトルを合わせる」という言葉が使われることがあります。
組織のミッションと組織があげるべき成果(外の世界における変化)をよく理解した
マネジャーが、正しい方向で部下の貢献を引き出すこと。
それが「ベクトルを合わせる」基礎的な活動です。
このコミュニケーションを欠けば、組織のあちこちで期待外れの貢献が生じ、せっかくの
仕事も非生産的なものとなってしまいます。
今日の原理です。
なすべき貢献について最優先でコミュニケーションを図る<マネジメントの原理99>
仕事の現場においてコミュニケーションは、単に人間関係を円滑にする以前に、仕事と人の関係に
力点を置いて初めて仕事は生産的になり人間関係も円滑になると考えることが重要です。