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自己実現とは、何かを手に入れることではなく、自分が磨いてきたものを人のために使うことである【経営のヒント 607】

人のマネジメントに関する原理原則を紹介してきましたが、今日から「セルフマネジメント」の
領域に入ります。
セルフマネジメントは人のマネジメントと表裏をなしています。
この2つのマネジメントは、事業のマネジメントや仕事のマネジメントが客観的、論理的なのに
対して、情緒的、主観的です。

前回、解説した自己開発は自己成長の手段です。
自己成長はセルフマネジメントの目的でもあります。
自己成長という言葉とともに使われる言葉に自己実現があります。
これも目的を表した言葉です。
自己実現とはどういう意味でしょうか。
目標などを立て何かを手に入れることでしょうか。
自己実現とは、何かを手に入れるという意味ではありません。
自己成長の途上で得られた経験、知識、能力、見識、胆力などを人のために役立てることを言います。
その意味でゴールはありません。
自己成長と同じ意味といえましょう。

<マネジメントの原理123>
自己実現とは、何かを手に入れることではなく、自分が磨いてきたものを人のために使うことである。

自己実現のために重要な要素が「貢献」です。
貢献は、5つある成果をあげる能力の一つです。
以下、確認のため再掲載します。

<マネジメントの原理102>
成果をあげる能力は以下の5つを中核とする
1.時間を管理する
2.貢献に焦点を合わせる
3.自分の強みを生かす
4.重要なことに集中する
5.成果のあがる意思決定を行う

「貢献に焦点を合わせる」とは、人のために時間を使うことです。
仕事はその最たるものです。
それえ次の原理が導き出されます。

<マネジメントの原理124>
人のために行う仕事は人を成長させる機会となる

それゆえ貢献を問う「なすべきことは何か」という問いは、自己成長を促進させることになります。
状況が変われば、常に問い返されることが求められます。
習慣としたいものです。

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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