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意思決定は、問題の本質を見極め、真の問題を対象とした意見の土台をつくることから始める【経営のヒント 619】

意思決定をテーマにして3回目になります。
意思決定の手順の復習からです。

意思決定は、手順にしたがう。
(1)問題の本質を見極め、真の問題を対象とした意見の土台をつくる
(2)関係者から異なる意見を集め、複数の選択肢をつくる
(3)一つの選択肢を選んで実行に移す
(4)同時に成果の基準を明確にし、モニタリングを行う
(5)実行結果をモニタリングし、フィードバックを行う

前回、(1)を説明しました。原理の形でまとめておきます。

意思決定は、問題の本質を見極め、
真の問題を対象とした意見の土台をつくることから始める
<マネジメントの原理132>

意思決定のプロセスでとりわけ重要なのは(1)や(2)です。
本質的でない問題いや課題に取り組んでも効果は限定的です。

したがって第一に、
真に優先すべき問題の解決や課題に向き合うという姿勢が求められます。

今日は、(2)についての原理です。

意思決定は、関係者から異なる意見を集め、
複数の選択肢をつくることで行う
<マネジメントの原理133>

まず意思決定においては、意見と選択肢を分けて考える姿勢が重要です。
この点はかなり重要です。

多くの場合、
誰かの意見を採用するかどうかというような進め方をしがちですが、
意見は意思決定の選択肢を作るための素材にすぎない
と考えなければなりません。

それゆえ誰が言うかよりも何を言うかが重要です。
意見とは異見、つまり「異なる見方」だということです。

一つの現実を見て、すべての人が同じ意見に到達するのはむしろ異常です。
なぜなら人は、自分の経験という眼鏡をとおして現実を見ているからです。
一人ひとりの経験は多様がより良い道に導きます。

このような者たちが、選択肢をつくるために議論を尽くす。
こうして複数の選択肢が得られます、選択肢は仮説の集まりです。
もし一つの選択肢が上手くいかなかったら、
他の選択肢を準備しておくという効果もあります。

意思決定は手順に従って行います。
それは、どんな組織でも実践することができることを表しています。
その手順を組織内で共通の理解とし、
意思決定の場面で使うことを目指しましょう。
それが成果のあがる意思決定の秘訣です。

佐藤 等

 

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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