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マネジメントとは何か【経営のヒント 279】

今日は第30章「マネジメントとは何か」からです。今日の一言です。

<ドラッカーの一言>
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スペシャリストにはマネジメントの人間(manager)が必要である
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『マネジメント<中>』p.19 1973年 ダイヤモンド社

今一度、今日の一言を見てください。Managerと原文を付させてもらいました。
訳はマネジメントの人間となっており、章のタイトルもマネジメントとありますが原文はManagerです。Managerをマネジメントと訳したのには理由があります。
日本語でマネージャーといえば野球部の女子マネージャーなどを想起させられます。
このような誤解を回避するための対応です。

しかしこの度、少し状況が変わりました。皆さんご存知の「もしドラ」、『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』という長いタイトルの本が127万部を売り上げました。マネージャーがマネジャーの一種であることが周知の事実となりつつあります。メガヒットがこれまでの常識を変えつつあるのです。

マネジャーは、スペシャリストを使いこなす人材です。
「もしドラ」の程高(著書に出てくる高校名)でマネージャーをしていた川島みなみは、投手、野手といったスペシャリストばかりでなく、監督の強みまでも引き出し、それぞれに大活躍させます。

マネジャーはスペシャリストの上司ではないとドラッカー教授は明言します。
それはガイドであり、マーケティング・エージェントであると。「もしドラ」の中でマネ-ジャーのみなみは、監督や部員一人ひとりの直面している現実、持っている価値観、抱いている欲求を聞き出します。
まさにマーケティング・エージェントそのものです。

本書『マネジメント』の中巻は、マネジャーの仕事を中心に展開されます。
マネジャーが現場を動かし、成果をあげる中核を担っていきます。これに対してトップ・マネジメントは、組織の方向性を決め、打ち出します。長期と短期の役割の違い、仕事の範囲の違いを理解するとともに、社長から主任までがマネジャーという言葉でくくられるからには、共通点も多数あります。
今後これらを明らかにしていきます。

佐藤 等

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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