マネジメント教育において避けなければならないこと【経営のヒント 795】
マネジメント教育は、エリート探しやエリート育成のためのものではない。それらのものはすべて無駄である。有害でさえある。
『経営の真髄』<下>p.30
なぜ有害なのか。「組織がなしうる最悪のことは、エリートを育成すべく他の者を放っておくこと」になるからです。
放っておかれた者の数は圧倒的に多い。10年後には彼らが中心になって実際に仕事を行う。放っておかれたという意識は残る。これが「最悪」の理由です。
「エリート探しは無駄である。でたらめに選んだほうがましである。見込みなどというものは当てにならない。無価値である」とまで言います。
見込みではなく、実際の仕事ぶりで選ぶ以外に基準はありません。その意味でマネジメント教育において特別扱いは避けなければならないのです。
佐藤 等(ドラッカー学会共同代表理事)