全体と貢献【経営のヒント 798】
あらゆる仕事が組織全体の目標に向けられなければ、成果は得られない。マネジメントの人間の仕事が、組織全体の成功に焦点を合わせなければならない。
『経営の真髄』<下>p.38
ドラッカーは全体性を強調します。部分の総和が全体にはならないからです。
とすれば「全体」とは何かが重要です。一つ目は、目指すところビジョンや成果、目標などが明確であること、2つ目がそれによって組織の全員の活動が方向づけられていることです。
方向づけられてはじめて「貢献すべきことは何か」を考えることができます。これらの貢献が構成要素となって相乗効果が生まれ、全体の力が発揮されます。
それゆえドラッカーは、一人ひとりのパフォーマンスは、組織全体の成果への貢献によって測られるとしました。
それゆえ貢献すべきことの設定は重要です。組織が目指す全体を理解すること、上長が期待する貢献を知り、自分で考えます。こうして決まったものを目標として定めるのが自己目標管理です。キーワードは、全体と貢献です。
佐藤 等(ドラッカー学会共同代表理事)