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「ものの見方」に違いが出るのは「関心」に違いがあるから【経営のヒント 802】

間違った方向づけは、階層によって仕事と関心に違いがあることからも起こる。
『経営の真髄』<下>p.42

ドラッカーは、「組織には、人を間違った方向へ持っていく大きな要因4つある」という。

  1. 専門化
  2. 上司
  3. 階層
  4. 報酬

今回は 3. 階層についてです。階層が人を間違った方向へ導く原因は階層ごとに「ものの見方」に違いがあるからです。ものの見方」は、本質的には一人ひとり異なります。これに階層ごとの「ものの見方」が加われば、複雑性はかなり高くなります。

ものの見方」に違いが出るのは「関心」に違いがあるからです。つまり上司の関心と部下の関心は異なるということです。

「人間は、欲望、関心、目的にしたがって価値を見出し、行動する(価値の原理)」という普遍原理があります。ドラッカーが指摘した「階層による間違った方向づけ」は価値の原理で説明することができます。

ドラッカーは、この問題は「善意や態度では解決できない」といいます。また「コミュニケーションの改善でも解決できない」といいます。

とはいえ緩和するには、やはりコミュニケーションの改善は欠かせません。具体的には、言葉の共通化とその理解を増進させておくことです。

それでもなお人を間違った方向に導く可能性があることを意識してマネジメントを行わなければなりません。なぜならマネジメントの要諦は、組織の方向づけだからです。

 

佐藤 等(ドラッカー学会共同代表理事)

 

 

 

 

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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