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自分がいかなる成果に責任を持つべきか【経営のヒント 804】

方向づけの間違いを防ぐには地道な努力しかない。
『経営の真髄』<下>p.45

「組織には、人を間違った方向へ持っていく大きな要因4つある」を紹介してきました。

  1. 専門化
  2. 上司
  3. 階層
  4. 報酬

上記に留意しつつ「地道な努力」を続けなければなりません。努力ポイントは2つです。

1)上司は、部下に何を期待すべきかを知らなければならない。
2)部下は、自分がいかなる成果に責任を持つべきかを知らなければならない。

何の努力もなしに1)と2)が一致することは極めて稀です。部下への期待は、組織やチーム目標への貢献の形で示される必要があります。その目標は、組織のミッションを実現するためのものでなければなりません。上司は、ミッションや成果、目標といった全体を理解してはじめて「何を期待すべきか」を知ることができます。かなりの努力です。

その前提としてミッションや成果が適切に表現されている必要があります。「われわれのミッションは何か」「われわれにとっての成果は何か」という問は、そのためにあります。

これらの全体について上司は、部下とコミュニケーションをとりながら部下が「自分がいかなる成果に責任を持つべきか」を貢献という形で表現することを手助けします。部下は、全体を理解していなければなりません。これもまた相当の努力が必要です。

 

佐藤 等(ドラッカー学会共同代表理事)

 

 

 

 

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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