仕事を生産的なものにする―仕事の分析とプロセスへの統合【経営のヒント 263】
今日は17章「仕事を生産的なものにする―仕事の分析とプロセスへの統合」からお伝えします。15章から23章までのテーマが「仕事を生産的なものにし、人に成果をあげさせる」ですから、この章は本命の章です。
まずは今日の一言です。
<ドラッカーの一言>
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仕事が要求するものを理解すれば、
それだけ仕事を労働という人間活動に
適合させることができる。
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『マネジメント』p.252 1973年 ダイヤモンド社より
人に成果をあげさせるためには、2つの要素が必要です。一つは、仕事を生産的なものにすること。もう一つは、働く人をマネジメントすることです。
そして両者は異質ですが、相互補完しあうべきものです。この章と次の章は、仕事を生産的にするための方法について述べたものです。
2つの要素に分けることは、わかりにくいかもしれません。
ドラッカー教授はこういいます。
未熟練労働、熟練労働といいますが、これは決して仕事が未熟練であったり、熟練であったりするわけではないといいます。働く者が熟練であったり、未熟練であったりするだけで、仕事そのものは変わらないといいます。
私たちは、人に仕事を任せるのですが、その際、仕事そのものの内容をその人に任せてしまうことがあります。任せられた人は、独断で仕事の内容を決め、始めます。この点ドラッカー教授は、仕事は客観的なものであると明確に述べています。このことは、ある仕事は、AさんがやってもBさんがやっても手順や手続に違いがないことを示しています。
人に仕事を任せる際の前提条件です。耳が痛い話でもあります。
仕事が生産的・客観的であるためには、4つのプロセスが必要だといいます。
(1) | 仕事に必要な作業、順序などを分析します |
(2) | (1)の作業を集めて仕事のプロセスとして編成します |
(3) | (2)のプロセスの中に、方向づけ、質と量、基準と例外などの管理のための手段を講じておきます |
(4) | 最後にツールが必要になります |
このプロセスをみれば、仕事は客観的なものだと感じることができます。
人に依存させてはならないことをあらためて肝に銘じなければなりません。
まずは分析から着手となります。<作業-仕事-業務>と小から大に続く連鎖を最小単位から見直す覚悟が必要です。
佐藤 等