データを情報に転換する知識が必要【経営のヒント 812】
データに意味と目的を付与したものが情報である。したがって、データを情報に転換するには知識が必要である。
『経営の真髄』<下>p.57
「情報化組織では、知識は主として組織の最下層にある」とドラッカーは言います。なぜなら現代の組織は、専門家の集まりだからです。
その意味で現代の組織は、オーケストラに似ているといいます。オーボエ奏者という専門家が最も専門的な知識を持っています。したがって彼ら専門家は自己管理が必須です。なぜなら指揮者は、必ずしもオーボエを演奏した経験がないからです。
譜面というデータに意味と目的を付与するのは専門家の役割です。そのためには、データを情報に転換する知識が必要です。演奏の目的は何か。指揮者の意図は何かなど理解し、自分で考え、判断し、演奏を行います。
「150年前の組織では、知識は組織の最上層が独占していた」と言います。さて貴方の組織では、知識はどのような層がもっているでしょうか。
佐藤 等(ドラッカー学会共同代表理事)