自己規律と責任【経営のヒント 813】
楽譜が、指揮者やフルートやティンパニーの奏者に対し、誰が何をいつ演奏すべきかを指示する。
『経営の真髄』<下>p.62
病院やオーケストラは情報化組織のお手本だとドラッカーはいいます。「そこに働くひとの自己規律が不可欠であり、互いの関係とコミュニケーションに関する責任の自覚が必要となる」。
大きな病院では60を超える専門分野があるといいます。そこには、それぞれの専門知識があり、専門知識に関する責任は専門家本人が負います。そこに中間的なマネジメントの人間はいません。
病院では、マネジメントはカルテによって行われます。カルテを仲介者としてコミュニケーションを図ります。
同様にオーケストラのマネジメントは楽譜によって行われます。それぞれの楽器の奏者という専門家は自らコミュニケーションをとりつつ、自己規律と責任をもって練習し、本番に備えます。究極の情報組織から学ぶものは沢山あります。
佐藤 等(ドラッカー学会共同代表理事)