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多元社会の到来【経営のヒント 255】

今日は、『マネジメント』第11章「多元社会の到来」からお伝えします。
11章から14章のテーマは「公的サービス機関の成果」です。
これは10章までの「企業の成果」に対応するものです。

<ドラッカーの一言>
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サービス機関は、政府機関や病院のような公的サービス
機関であれ、企業内サービス部門であれ、すべて他の
経済活動が生み出す余剰によってコストが賄われている。
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『マネジメント』p.166 1973年 ダイヤモンド社より

現代社会、特に先進国の成長部門に公的サービス部門があります。
政府機関、NPO、病院、学校などがこれに属します。

しかしその成長ぶりとは裏腹に、大きな成果をあげていないのが現実だとドラッカー教授は指摘しています。主要な成長部門が生産的でない…これは大きな社旗問題だというわけです。この成長分野は、言葉を変えると教育、医療、福祉・介護などの分野がこれにあたります。
これらの分野が生産性が低いのは、長期的に見てかなり問題です。

この事情は、企業内のコストセンターたる管理的なサービス部門も同じだと指摘しています。何かを生み出すことのない部門は、結果として生産の余剰でコストを賄われているということです。サービス部門の生産性が、その企業の業績に大きくかかわることも少なくないのです。

ドラッカー教授は、このような部門が不要だといっている訳ではありません。
非生産的だといっているのです。仕組み的に効率を追求する側面が弱く、この点を克服していく必要があるというわけです。
端的にいうと「何に貢献しているか」を明確にできない組織が多いのです。
その結果、費用対効果の思考を持つことはできなくなるのです。
ここ数章は、この観点から公的サービス機関を見ていきます。単に公的サービス機関の話と聞き流さないでいただきたいと思います。なかなか奥深いものがあります。

佐藤 等

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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