人を方向づけるうえで最強の手段【経営のヒント 823】
成果中心の精神を高く維持するには、配置、昇給、昇進、降格、解雇などの人事に関わる決定が、人を方向づけるうえで最強の手段であることを認識しなければならない。
『経営の真髄』<下>p.81
「あの人が昇進するんだ」。人事には強力なメッセージが含まれていることを理解しておかなければなりません。
それゆえドラッカーは、真摯さを欠く者を役員やマネジャー職に就けてはならないといいます。なぜなら「この組織は真摯さを欠く者でもマネジャー」に昇格できるのだという強いメッセージを発するからです。
また「常に平凡な成果あるいは貧弱な成果しかあげられない者は、本人のためにも異動させるべきである」といいます。高い成果の基準を設定することが、成果中心の精神の支柱だからです。異動させないということは「この組織は平凡な成果を出していれば十分だ」というメッセージを発しているに等しいからです。
また異動の結果、期待する成果をあげられない場合は、人事異動の誤りの可能性を認めることです。見誤り、誤った意思決定をしたかもしれないということです。
このように人事が発するメッセージは強力です。長期に渡り考え、慎重に意思決定することが求められます。
佐藤 等(ドラッカー学会共同代表理事)