打率の低い人事【経営のヒント 831】
5つのステップと5つの原則を守ることによって、ほとんど人事は成功する。しかし、それでもなお打率の低い人事がある。
『経営の真髄』<下>p.109
5つのステップと5つの原則については前回述べました。念のため項目だけ再掲します。
【5つのステップ】
①仕事の中身を考える
②仕事の中身と人の強みをマッチさせるため候補者を数人用意する-
③候補者の強みを知るため業績を調べる
④候補者と働いたことのある者からの意見を聴取する
⑤本人が新しい仕事で求められていると思うことを書き出させる
【5つの原則】
①人事の失敗の原因は人事を行った者にある
②成果をあげられなかった者は配置を変える
③人事異動で成果をあげられなくなった者を辞めさせてはならない
④常に適材適所の正しい人事に努めることである
⑤新参者には、新しい仕事ではなく問題に直面したとき手を貸せる仕事を任せる
【リスキーな種類の人事】
❶専門家からなる部局のトップ人事
❷現業の人間のスタッフ部門への移動人事(あるいはその逆)
❸2人の有能なものがたて続けに失敗するポストへの人事
【その人事がリスキーな理由】
❶がリスキーな理由は、専門家というものは専門分野で秀でた者しか上司として受け入れない傾向が強いからである。
❷がリスキーな理由は、一方で優秀な者が、他方で有能であることをあらかじめ知る方法がないからである。
❸がリスキーな理由は、そもそも存在してはいけないポストだからである。
上記の他、配置された当の本人の姿勢について気を付けておくべき重要なことがあります。「人事の失敗の最大の原因は、昇進をもたらしてくれたと思うことを新しいポストで続けること」です。「新しいポストで成功するには何をしなければならないか」を考えさせることです。つまり貢献を自問することです。
佐藤 等(ドラッカー学会共同代表理事)