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マネジメントへの挑戦【経営のヒント 232】

今日も『マネジメント―課題、責任、実践―』、第3章は「マネジメントへの挑戦」からお伝えします。

<ドラッカーの一言>
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われわれは人事管理を超えなければならない。
管理ではなくリードすること、支配ではなく方向づけ
することを学ばなければならない。
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『マネジメント』p.30 1973年 ダイヤモンド社より

『マネジメント』の兄貴分にあたる『現代の経営』に「人事管理は破綻したか」という章があります。
人を問題の種と考えること、コストと見ること、それが管理思考の最たるものです。
多くの経営者がまだこの思考から抜け出ていないのではないでしょうか。
派遣切りが問題になりましたが、そもそも派遣という労働形態を工場現場にまで持ち込んだことが誤りだったのではないと思います。
企業は景気が悪いときでも、ある程度の内部留保を取り崩しても、必要な人材を守るという姿勢がまず求められるのではないでしょうか。
その次善の策として雇用に手をつけるという優先順位ではないかと考えます。
一方で知恵を社内に貯めるために非正規雇用者の正社員化に舵を切った企業があります。このご時勢でも絶好調の企業業績をあげるユニクロの経営姿勢です。
現在NHKで4回にわたり「わがドラッカー流経営論」と題して社長の柳井正さんがお話しています。必見です。下記案内を参照してください。
http://www.nhk.or.jp/shiruraku/thu/contents/index.html

管理ではなくリード、支配ではなく方向付け、つまり単なる管理的マネジメントではなくリーダーシップが重要だということです。
マネジメントが不要だということではありません、管理的なマネジメントではなくリーダーシップを含むマネジメントが必要だということです。
この発想の下で人は、はじめてコストではなく資源であるとドラッカー博士はいいます。
しかし今日的には、人は資本あるいは財産と表現すべきだと思います。
なぜなら資源は消費してしまいますが、財産や資本はうまく使えば減るどころか生産力を益々アップさせるからです。
またドラッカー博士は、人を機会として見なければならないといいます。
変化の大きな時代、多くの機会が目の前を通り過ぎます。
機会をキャッチできるのは人だけです。
なぜなら機会は、未来に係わることであり、知覚し、認識し、勇気を持って判断することで生まれるからです。
機会を見る眼が多いほどチャンスに溢れた組織になります。
組織全員で選球眼を磨きたいものです。
以上が単なる人事管理を超えるための大きな思考の転換です。
従来の「人事管理は破綻したか」?
YESと答えられる意識と組織文化を生み出すことがこれまで以上に求められています。
新たな時代を切り開く最大のポイントでもあります。
意識して取り組みたい課題です。

佐藤 等

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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