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自らをマネジメントする【経営のヒント 174】

今日も『明日を支配するもの』の第6章「自らをマネジメントする」からです。もう6回目になりますね。今日の一言からです。

<ドラッカーの一言>
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自ら果たすべき貢献を考えることは、知識の段階から
行動の段階への起点となる。
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『明日を支配するもの』(ダイヤモンド社)より

「何をしたいか」という思考の仕方で自己実現した者はほとんどいないとドラッカー博士はいいます。現代の組織社会に生きる知識労働者は、一人で簡潔した成果を出すことは稀です。他人に貢献し、その貢献の連鎖が組織の一個の成果につながるという時代です。これは組織に属する多くの知識労働者が自らの貢献を明らかにしなければ、組織の成果に結びつくような仕事ができないことを意味します。したがって私たちは、まず「貢献すべきことは何か」を問わなければなりません。成果をあげる者、自己実現を果たす者は皆、「なすべきことは何か」という思考からスタートします。ドラッカー博士は、この問いに答えるためには次の三つの要素を考える必要があるといいます。

(1)状況が求めるものは何か
(2)自らの強み、仕事の仕方、価値観は何か
(3)何を成果とするか

「貢献すべきこと」は、自らの強みや能力と相談して決まります。自分の強みや能力を最も知っているのは、自分自身です。どこまで貢献できるのか。あやふやではいけません。なぜなら貢献が十分果たせないとき組織全体の成果の大きさが変わってくるからです。ですから自らの強み、仕事の仕方、能力を自ら知ることは大切です。己を知り戦えば・・・は現代でもセオリーです。

こうして「貢献すべきこと」を考えることではじめて具体的な行動の段階にスムーズに移すことができます。すなわち、行うべきこと、始めるべきこと、始め方、目標、期限を定めることができるのです。
知識は、行動に移してナンボです。行動の先にしか成果はありません。

貢献を意識して考えることが、セルフ・マネジメントのスタートとなります。
人は、貢献を通してはじめて自由になれるとドラッカー博士はいいます。
そして責任を持つがゆえに、自由になるとも。これら二つの言葉の意味するところは、「貢献」というゴールを自ら定めることで、その方法、目標、期限などが自律的にあるいは自由に定めることができるということです。
また組織内における貢献の連鎖が成果に結びつくことを考えれば、貢献と責任は切っても切れない関係にあります。連鎖・・・の鎖を途中で断ち切る者が現れたらどうでしょうか。一つひとつの鎖の輪が最悪、全部無駄になります。
私たちは「貢献」という意識を高く持ち、成果をあげることに邁進しなければならないのです。

佐藤 等

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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