明日を支配するもの【経営のヒント 169】
『明日を支配するもの』も最終章、第6章を迎えました。
大変重要な章ですので数回に分けてお伝えします。
今日の一言からです。
<ドラッカーの一言>
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知識労働者のほとんどが、自らをマネジメントしなければならなくなる。
自らを最も貢献できるところに位置づけ、つねに成長していかなければならない。
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『明日を支配するもの』(ダイヤモンド社)より
「自らをマネジメントする」という普段あまり使われない言葉が重要な時代になっています。組織の寿命は30年とかつて日本経済新聞社から刊行された『会社の寿命』では、結論づけていました。ドラッカー博士も本書で「組織の平均寿命は30年そこそこ」と述べています。これに対する人間の平均寿命は、先進国では70~80年。
この事実は、働くことができる年限が50年にも及ぶことを示しています。
組織の寿命<人間の労働寿命
・・・という不等式が成り立ちます。このことが示す意味は、人は職業を変えなければならないという事実です。そのためには、つねに貢献できるとろを求め、成長エンジンを駆動させなければなりません。それができるのは、自分自身だけです。組織に期待してはいけません。組織は、成長のための道具であるとドラッカー博士は言います。組織を活用して、自らが成長する。そのためには、自らをマネジメントしなければならないのです。
自らをマネジメントするポイントは、5点あります。
(1)自分の強みは何か。
(2)自分は所を得ているか。
(3)果たすべき貢献は何か。
(4)他との関係において責任は何か。
(5)第二の人生は何か。
これらの問いかけに対する答えは、一つのところに止まりません。つねに成長することが前提にあります。自分を高め、自らを活用し、より大きな貢献ができる自分になる。
そして、その反面として重責を担う。このような姿勢で日々過ごすことが、50年働く秘訣です。ドラッカー博士ご自身、70年間働きました。60歳を過ぎてから20冊以上の著書を著し、企業リーダーにメッセージを発信し続けました。自ら知識労働者の最高のお手本となり、その生涯を閉じたわけです。
その最高のお手本から、我ら知識労働者の生き方を第6章を通じて学びたいと思います。
佐藤 等