明日を支配するもの「21世紀のマネジメント革命」【経営のヒント 155】
今日から『明日を支配するもの』を取り上げます。
サブタイトルは「21世紀のマネジメント革命」です。1999年というまさに21世紀を迎えんとしているときに書かれた比較的新し目の著書です。
この著書は「明日の生死を分ける致命的な問題だけを示した」と前書きにあるように、対応を誤れば再起不能になる問題だけを扱ったものです。
ちなみに再起不能とは、ドラッカー博士の言葉ですから実に恐ろしい著書だといえます。しかもそれは未来の予測ではなく、外れることのない現実に起こりつつある問題だといいます。
今日の一言です。
<ドラッカーの一言>
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新しい現実は、今日の問題ではない。まったく異質である。
今日当然とされ、成功の基盤となっているものとは相容れない(中略)
二一世紀の現実は、これまで二〇世紀において有効であり続けてきた
方法や姿勢とは、まったく逆のものを要求しているからである。
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『明日を支配するもの』1999年
「現実」が変化する。つまり「新しい現実」が現れる。その後パラダイム(支配的な一般論)が変化し、世の常識となる。ある者はリスクや脅威にさらされ、ある者は機会やチャンスをつかむ。ある者は、いち早く「新しい現実」を機会に変え、ある者はパラダイムの変化が起こってから対応し、リスクにさらされる。
本書は、マネジメントについて、とりわけ組織と人の問題を中心に扱っています。そしてこれらの問題は、政府や市場などが解決できるものではないといいます。唯一の解決者、それこそが個々の組織、個々の経営チーム、個々のエグゼクティブであると明言しています。
私たちは、まず対処しなければならない問題を正確に理解しなければなりません。そのうえで覚悟を決めて解決に臨まなければなりません。
なぜなら唯一の解決者だからです。
ドラッカー博士は、この本の読み方に珍しく注文をつけています。
4つあります。
(1)一度に一章だけ読むこと
(2)取り上げた問題が、自身および自身の組織にとっていかなる意味をもつかを考える
(3)それらの問題をチャンスとするためには、いかなる行動をとらなければならないかを考える
(4)そして、実際に行動する
二一世紀に入って久しいですが、ドラッカー博士の言われる再起不能になる前に、考えるべきことをじっくりとこの【経営のヒント】で考えてゆきたいと思います。
佐藤 等