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心構え【経営のヒント 146】

新しいエターナル版の『経営者の条件』には、最近の論文が掲載され、それが序章となりました。
前回は習慣化のお話をしましたが、今回は習慣化の前提とも言うべき物事の考え方、心構えを取り上げます。今日の一言です。

<ドラッカーの一言>
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なされるべきことを考えることが成功の秘訣である。
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エターナル版『経営者の条件』 1966年 ダイヤモンド社

なされるべきこと・・あまり使い慣れない言葉かもしれません。ここで間違っていけないのは「何をしたいか」と考えることです。「何をしたいか」は自分視点、「なされるべきことは何か」は外部視点。顧客視点と言ってしまってもいいのかもしれません。

もう一点は、「組織のことを考える」です。当たり前かもしれませんが、これ以外に同族経営ともなると思考の優先順位に迷いが生ずることがあります。
組織にとってよいことは何か、という視点が大切です。

三つ目は、「私」ではなく、「われわれ」を考えることです。全体の目標をチームで考える。最終責任とそれぞれの役割を自覚する。こんな当たり前の視点の違いが優勝劣敗を決定づけます。

これらの視点は、いずれも思考習慣に関るものです。常に頭がそう考えている状態をいかに作るか。それが思考の習慣化です。

最後は、 思考習慣といってもいいのですが行動習慣にかかわることです。
それは「聞け、話すな」です。思わず笑ってしまいそうになりますが、事は真剣です。
部下は、自分の聞きたいように聞くという名言がありますが、要は経営者や上位者が言っていることは、ほとんど伝わらないということです。それならば聞く。
よく聞く。これがコミュニケーションの基本です。

以上四つが「仕事のできる人」が身につけるべき具体的能力の前段階の心構えとしてお伝えしておきたい点です。

佐藤 等

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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