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ドラッカー教授の「人生を変えた7つの経験」【経営のヒント 640】

<マネジメントと人間力>というテーマは、次の言葉から始まりました。

「マネジメントとは、科学であるとともに同時に人間学である。
客観的な体系であるとともに、信条と経験の体系である」
『マネジメント<上>』p.38

「信条と経験」から連想されるのは、ドラッカー教授の「人生を変えた7つの経験」です。
現在、『プロフェッショナルの条件』に収録されていますが、元々は、ドラッカー教授とダイエーの創業者中内功氏との往復書簡が元になっています。


以下、7つの項目を挙げますが詳細は以下のページを参照してください。

Dラボ みんなで実践するマネジメント広場
初心者におすすめのドラッカーの本「ここから読むべき」その1『プロフェッショナルの条件』―ドラッカー教授の「人生を変えた7つの経験」から

第1の教訓:目標とビジョンをもって行動する―ヴェルディの教訓
第2の教訓:神々が見ている―フェイディアスの教訓
第3の教訓:一つのことに集中する―記者時代の決心
第4の教訓:定期的に検証と反省を行う―編集長の教訓
第5の教訓:新しい仕事が要求するものを考える―シニアパートナーの教訓
第6の教訓:書きとめておく―イエズス会とカルヴァン派の教訓
第7の教訓:何によって知られたいか―シュンペーターの教訓

85歳のドラッカー教授が人生の前半―18歳から40歳までの7つの経験を語る中で、そこから何を学び、何を教訓や信条として人生を送ってきたかを語っています。
人の労働寿命が延び、50年以上働ける時代に過去の囚人となることなく成長を可能にするのに必要なことを説いています。

ドラッカー教授は、若い頃、成功した有能な人に会うたびに「いかにして成果をあげられるようになるか」と聞いたといいます。
そして誰もが自分と同じような経験から学んでいることを発見します。

ドラッカー教授の7つの経験をよく見ると、学びのきっかけは、言葉や人との出会いであることがわかります。
人生におけるこのような出会いは、どんな人でも少なからずあるはずです。
しかしドラッカー教授をはじめ成果をあげている人は、その出会いを学びに変え、人生の教訓にしているということです。

7つの経験は、2つのことを教えてくれます。
第一に、マネジメントは問題意識を常に持ち、成長しようとする環境で初めて身につくものであること。
第二に、人の言葉や人物との出会いが、学びのきっかけとなること。
これこそが、信条と経験の体系たるマネジメントを人間学と呼んだ所以です。

 

佐藤 等(ドラッカー学会理事)

 

 

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