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人間関係の鍵【経営のヒント 136】

『非営利組織の経営』第4部、第2章は「人間関係の鍵」です。
チョット惹かれるテーマです。

<ドラッカーの一言>
!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!
有効に機能している非営利組織では、トップが(中略)
関係者に対して「これを申し上げておきたい」というのではなく、
「何かお聞きしておかなければならないことがあるか」と
尋ねることから始めて、この双方向の関係を築き上げている。
!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!
『非営利組織の経営』 1990年 ダイヤモンド社

この言葉は、コミュニケーションのポイントを的確に突いています。
コミュニケーションにおいて重要なことは、発信ではなく受信。喋るのではなく、聴くことです。ドラッカー博士は「無人の森で木が倒れたとき、音は存在するや」と問う(『すでに起こった未来』1993年)。答えは・・否。「無人」がポイントです。
存在するのは音波。音波を知覚するものがいて初めて音となる。受け手があってはじめてコミュニケーションが成立する。本当に耳が痛い言葉です。
お客様に、スタッフに、株主に「何かお聞きしておかなければならないことがありますか」と問う。中々出来ることではありませんがコミュニケーションの成立条件として心に刻んでおきたい一言です。

ドラッカー思想に「欠けているもの」という考え方があります。見えないものを見る発想法です。販売機会を開拓するため非顧客(ノンカスタマー)に聴くというのもその一つです。イノベーションの機会としてスタッフから意図せず成功した体験を聴くのもその一つです。トップの視点・視角からは、見えないものが手に入ります。
これが受信を優先したコミュニケーションの成果の例です。
心構え一つで大切なものが手に入る可能性が広がります。

佐藤 等

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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