荒天を乗り切ること【経営のヒント 121】
前回に引き続き『非営利組織の経営』1部 第2章は「荒天を乗り切ること」です。
この章では、「荒天」についてと「乗り切る」方策としてのリーダーのあり方について述べられています。今日は、後者の「乗り切る」についての一言です。
<ドラッカーの一言>
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有能なリーダーは、決して「私」とはいわない。(中略)
そもそも彼らは、「私」のことなど考えていない。
「われわれ」のこと、「チーム」のことを考えている。
チームを有効に機能させることが自分の仕事だと心得ている。
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『非営利組織の経営』 1990年 ダイヤモンド社より
例によって非営利組織に向けられた言葉ですが、もちろん営利企業にバッチリ当てはまります。荒天を乗り切るには「チームを有効に機能させること」、簡潔明瞭です。そのためのリーダーであり、リーダーシップです。
リーダーは、個人の能力開発のほかに、チームの能力を引き出すためのチーム力の開発にも努めなければなりません。
簡単に書いてしまいましたがチームの管理ではなく、チームの能力開発です。
経営者ばかりが勉強熱心で、チームがついてこない・・なんてこと、よく見受けられます。このことは、チームメンバー個々人の能力開発とも違います。個々人の能力を集めて足し算ではなく掛け算にすることです。
「掛け算」化するために必要な基本能力としてドラッカー博士が4つのポイントを示しています。
■リーダーとしての仕事に必要な基本能力
(1)人のいうことをよく聴く意欲、能力、自己規律
(2)他者とのコミュニケーションに努め、自分の考えを理解してもらおうとする意欲
(3)完全にやり遂げるまで、言い訳しない姿勢
(4)職務と自らを分離する、職務が一身より重要であることを知っている
(1)や(2)がスタートです。
最後に一言。
「リーダーは生まれついてのものではない。(中略)つくられたものでもない。
(中略)自らをリーダーとしてつくり上げた人たちなのである」。
覚悟を決めて取り組むしか王道はないようです。
佐藤 等