個人のイノベーション【経営のヒント 118】
今日は、『ドラッカーの遺言』最終章(第6章)「個人のイノベーション」です。
本当に最後のメッセージになってしまいました。
章の冒頭、決まって尋ねられる質問、
「新しい時代の中で、私たちはどう生きていけばよいのでしょうか?」に対して次のように答えています。
「残念ながら、私には生き方を教えることはできません」。
ドラッカー教授らしい、とても“真摯な”答えです。それでは、今日の一言です。
<ドラッカーの一言>
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「いま何を捨て、何を選択し、自己を高めるために
何を学ぶべきか」を絶えず問いか続けなくてはならない
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『ドラッカーの遺言』(講談社)より
現代は、知識社会。その知識は、高度に専門化、細分化され、かつ流動性が高くなってきています。陳腐化するリスクといつも背中合わせです。そんな中で自ら未来を切り拓くには、学び続けるしかありません。
まさに“学び続けるか?滅びるか?”選択は二つに一つ。そしてさらなる選択。
それが今日の一言です。
その際、大切なのは自分の強みを把握すること。
それが成果をあげる唯一の方法。弱みは、知らなければならない。
ただし決して克服しようとしてはいけません。
その誘惑から逃れるために、チャンと知っておくことが重要です。
ドラッカー教授は、一人ひとりの人間は産業社会の中で組織を通じてのみ位置と役割を得、自己実現を果たすことができると喝破しています。そして個の尊厳は、仕事を通してのみ得られると。
個人のイノベーションも組織のマネジメントも氏のそんな想いから、すべての人間の尊厳のために世に広めた考え方です。
私たち一人ひとりが氏の期待に応え、真摯に仕事に取り組み成果をあげることを求められています。あらためて、ご冥福をお祈りいたします。
追)さて名残惜しいのですがいよいよお別れです。この著書、最後の言葉・・・
ドラッカー教授が日本と日本人に残したラスト・メッセージを噛み締めてください。
「知識社会が招来する新しい時代においても、日本が世界のメインパワーであり続けるための原動力になってほしいと願っています」。
偉大な遺産をありがとうございました・・。
佐藤 等