成長のマネジメント【経営のヒント 102】
第2部、第2章「成長のマネジメント」は、たった5ページの短い章です。
日本の経済成長もここ十数年停滞状況。しかもこれから人口減少時代を迎え、かつての高度成長時代みたいなものは、2度と無いといわれています。
また個別企業は、創業以来最高益をあげる企業があるとおもえば、創業以来初めての赤字を出す企業もあり、優勝劣敗、勝ち組・負け組みが顕著です。個別商品でもパソコンの成長が10年で頭打ちになったり、デジタルカメラ市場も6~7年で成長が止まったり短命化しています。
そんな中でもチキンラーメンや赤福などの超長寿ヒット商品もあり、全体の傾向や平均値ではものを語れない時代になってきました。
そんな時代の「成長のマネジメント」のポイントが次の言葉です。
<ドラッカーの一言>
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企業にとっては、自らの強みを発揮できる成長分野を探し出し、
もはや成果を期待できない分野から資源を引き揚げ、
機会のあるところに移すことが必要となる。
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新訳『乱気流時代の経営』(ダイヤモンド社)より
「成果を期待できない分野」とは、生産性が低下してきている事業分野のことです。売上という量だけ増えて利益などのアウトプットが減ってきている分野のことですが、皆さんの周りにもありませんか?
ドラッカーは、「脂肪太り」と呼んでいますが・・・。
さてこのような分野から資源を引き揚げるのには「勇気」が必要ですね。
さらにその資源を「機会」に投入するという、二つのハードルが待っています。
「機会」をつかめないから「勇気」が湧かない。「機会」、ビジネスチャンスを掴んだところが、ヒット商品を生み、黒字化を達成しています。
第3章は、「機会」をどう捉えるか、と言う観点から「イノベーションのマネジメント」です。
佐藤 等