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現代の経営【経営のヒント 95】

31回にわたり書かせていただいた『現代の経営』も今日で終わりです。
私自身5回目の読破になりますが、あらためて真剣勝負で読ませていただきました。一番身になっているのは、他ならぬ私自身です。
あらためて、読者の皆様には、この場を借りて感謝申し上げます。
さて最終章は、結論「マネジメントの責任」から今日の一言です。

<ドラッカーの一言>
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最も重要な結論は、社会のリーダー的存在としてのマネジメントの
社会的責任とは、公益の利益をもって企業の利益にするということである。
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新訳『現代の経営』(ダイヤモンド社)より

最近よく耳にするCSR:「企業の社会的責任」という言葉。
ドラッカーは、50年前に公共の利益を自らの利益に一致させることこそが、マネジメントの「社会的責任」であると喝破しています。公共の利益は、「企業の社会における役割」と言い換えることができます。社会的役割があるからこそ、企業にも利益がもたらされる。逆に言えば、社会的責任を果たすため、企業は利益をあげ続ける責任があります。
ドラッカーは、企業が十分な利益を生み出さなければ、社会が損失を被るとまで言い放っています。
利益とは、実に倫理観に満ち満ちた言葉なのです。

さて最終章には、どうしても触れておきたい一言があります(今日の二言)。
「(有能な)若者を引き留めるためには、キャリアや生活保障や経済的な報酬の約束だけでは、不十分である。ビジョンと使命を与えることができなければならない。」
使命・・・社会的役割、ビジョン・・・共有すべき到達点。
いや~ドラッカーって本当にいいですね。
さて今回は長かったこともあり、一つのささやかな達成感を味わうことができました。おつきあい頂きありがとうございました。
次回からは、1980年に著された『乱気流時代の経営』を取り上げます。

佐藤 等

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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