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CEOと取締役会【経営のヒント 79】

『現代の経営』上巻も残り少なくなってきました。
今日は第14章「CEOと取締役会」です。最近私の周りにもCEOと名刺に入っている方がちらほら。
もちろんこの章は日本流に社長と読み替えて読んでみました。
さて今日の一言からです。

<ドラッカーの一言>
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CEOの仕事は、徹底的に検討して初めて混乱を免れる。
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新訳『現代の経営』(ダイヤモンド社)より

この言葉の節のタイトルは「CEOの仕事の混乱ぶり」です。つまりCEOは、大混乱の中、仕事をこなしているという現実を前提にしています。
ここでいう混乱は、「緊急かつ重要」な仕事、「緊急でないが重要」な仕事、「緊急だが、重要でない」仕事、「緊急でなくかつ重要でない」仕事の4つが上手くコントロールされていないことを表しています。
問題は、「緊急でないが重要」な仕事をこなせない環境におかれていることです。この章には、その秘訣が少しだけ書いてあります。ポイントは、「重要でない」ことを行わない計画性とCEOのチーム化(役割分担化)です。
計画性など時間の使い方は、ドラッカー自身が1冊の本にしています。
このメルマガの最初の1冊、『経営者の条件』がそれです。
この章には、CEOの役割が面白い言葉で書いてあります。
「CEOたる者は、考える人、動く人、会社の顔になる人であるだけでなく、分析し総合する人でなければならなくなる。」そしてそのあとに「いかなる人間も、一つの人生において、これら四つの役割を演ずることはできないし、ましてや、そのすべてを毎日演ずることなどできない。」とあります。なんだか肩の荷が少しだけ軽くなった気がしませんか?

佐藤 等

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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