われわれの事業は何か。何でなければならないのか【経営のヒント 71】
今年最後のメルマガとなりました。お陰様でより多くの方にこのメルマガを発信できましたこと、この場を借りてあらためて感謝申し上げます。
さて今年最後の章は、
第6章「われわれの事業は何か。何でなければならないのか」です。
この章のタイトルは、経営者にとって最も大切で最も難しい問いかけとなります。
今日の一言です。
<ドラッカーの一言>
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「われわれの事業は何か」という問いは、つねに難しく、
徹底的な思考と検討なくして答えることはできない。
しかも通常、正しい答えはわかりきったものではない。
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新訳『現代の経営』(ダイヤモンド社)より
それまでコンピュータという物売りをしていたIBMがソリューション(課題解決)が事業であると宣言したのは、有名な話です。他にもアメリカの映画産業がテレビの出現で一時苦境に立ったのは、自らエンターテイメント業という認識を持つことができなかったからだという歴史的に有名な話など、世の中には「何業」であるかを巡っての栄枯盛衰の話はたくさんあります。
この問いに答えるためのポイントが3つあります。
(1)答えは顧客が持っている、
(2)答えは事業の外部の視点からのみ得られる、
(3)答えは顧客自身から直接得る努力をしなければならない、
です。
「顧客ニーズをとらえる」という言葉をよくききますが、多くの場合「憶測」です。
本当に顧客にきいているケースは、実はとても少ないと思います。
企業規模の大小を問わずこの章の問いに答えることは、企業の原点として必要なことです。年末年始は、「われわれの事業は何か」と問いかけるにはいい時かもしれません。
その際の補助的な問い3つ記して今年の【経営のヒント】を締めくくります。
(1)顧客は誰か、
(2)顧客は何を買うのか、
(3)顧客は何を価値あるのもと考えるか。
それでは皆さん、よい年をお迎え下さい。
佐藤 等