マネジメントの役割【経営のヒント 66】
『現代の経営』第1章は,「マネジメントの役割」ではじまります。
たった4ページですがとても格調高く,ドラッカーの意気込みが伝わってきます。
ドラッカーの一言からです。
<ドラッカーの一言>
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卓越したマネジメントの能力と絶えざるマネジメントの改善のみが,
われわれに進歩をもたらし,独善と自己満足と怠惰を回避させてくれる。
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新訳『現代の経営』(ダイヤモンド社)より
この本が書かれた50年前は,今では死語の「冷戦時代」です。
本文にも「長期にわたる冷戦が経済に対して課す重荷は,
継続的な経済発展によってのみ耐えることができる」という一文があり,
時代を感じさせます。そのうえで1950年代のアメリカは,
ビジョンと努力の不足によって没落の道をたどった1880年代のイギリスと同じだったと見られるようになる危険さえある,とドラッカーは警鐘を鳴らしています。
そして老朽化する資本施設,生産性の停滞を憂いています。
今では立ち直ったイギリス,そしてアメリカの現在の繁栄。
半世紀という時代の十分な長さが感じられるところです。
悲観論もきかれる薄日の中の日本も数十年先には・・・もう一度,
と思いたいのは私だけでしょうか。
そしてこの停滞の救世主こそがドラッカーが発明したと自ら言う,
「マネジメント」そのものです。
護送船団方式が崩壊した日本にも本物のマネジメントが必要な時代が来たようです。
序論(第1章~第3章)は,「マネジメントの本質」。
本書全体は,経営管理者のマネジメントについて展開されます。
ヒント満載,請うご期待!
佐藤 等