現代の経営【経営のヒント 65】
今日からいよいよ『現代の経営』に入ります。上下巻各300ページに及ぶ大作です。
なんと1954年,50年前に書かれたものです。
第9章にオートメーション云々の話がありますが,それ以外はまったく古さを感じさせません。
今年発刊といっても通用するくらいです。
これまで取り上げた著書のすべての原点となった「歴史的一冊」です。
それでは,まえがき(1954年から約30年後に書かれたものです)から一言。
<ドラッカーの一言>
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マネジメントするということは,第一に,成果をあげることに
ついて考え,第二に,企業の中で共通の課題に取り組むべき
人たちを組織することについて考え,そして第三に,社会的な
問題,すなわち社会的な影響や社会的責任について考える
ことである(中略)。
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新訳『現代の経営』(ダイヤモンド社)より
この言葉には「GMでの調査を始めてただちに・・(上記のことを)・・知った」と前後があります。
1943年から行っているGMの仕事は,ドラッカー自身の言葉を借りると「面白くはあったが,苦労した。準備しようにも参考になるものがなかった」というような状態で行ったはじめてのコンサルタントの仕事でした。
本書は,その後GEなどからの仕事を経て決心して書いた労作です。
以下はその決心の言葉です。
「そこで私は,じっくり腰を下ろして,この暗黒の大陸たるマネジメントの世界地図を描き,欠けているために新たに生み出さなければならいものを明らかにし,すべてを組織的かつ体系的に一冊の本にまとめることを決心した」。
今回から「決意の一冊」の世界旅行がはじまります。
佐藤 等