価値の創造【経営のヒント 61】
今日も『イノベーションと起業家精神-その原理と方法-』、第19章「価値の創造」からです。この章で述べられている4つの戦略の2つ目、価格戦略からです。先ずは、今日の一言から。
<ドラッカーの一言>
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供給者にとってのコストではなく、顧客にとっての
価値に対して価格を設定しなければならない。
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新訳『イノベーションと起業家精神-その原理と方法-』(ダイヤモンド社)より
ドラッカーが示す二つの事例は、象徴的なものです。一つはジレット社、もう一つはゼロックス社です。何れも供給サイドから見れば導入コストの高いものです。床屋さんが10セントの時代に安全かみそりが5ドル、1日1ドルが高賃金だった時代です。そんな頃キング・ジレットは、「カミソリ」を売るのではなく「髭剃り」を売りました。1セント以下で6、7回程度使えるカミソリの刃を売りました。「髭剃り」そのものに値段をつけたことがイノベーションです。同じような例は、1回のコピーに値段をつけたゼロックスです。コピー機を売るために当時、はじいた金額が4000ドル。それでも後のゼロックス社であるハロイド社は、特許権を買取り、改良を加え売り出しました。彼らのイノベーションは、やはり価格設定。コピー機ではなく1枚5セント程度で販売することに。その後の大成功は皆さんご存知のとおりです。ポイントは「顧客が買うものに対する価格設定」です。これがなかなかできないのですが・・・。
佐藤 等