ニッチの占拠【経営のヒント 59】
お盆休み1回いただいてしまいました。再開は『イノベーションと起業家精神』第18章「ニッチの占拠」からスタートです。ドラッカーは、ニッチ戦略のゴールは「目立たず優雅に暮らす」といっています。優雅に暮らす・・いい響きですね。企業経営者なら一度は夢見たいポジションです。しかもこの戦略は、中小企業でも戦える戦略です。今日の一言です。
<ドラッカーの一言>
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ニッチ戦略の成功のポイントは、製品としては決定的に
重要でありながら、ほとんど目立たず、誰も競争しに
こない点にある。
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新訳『イノベーションと起業家精神-その原理と方法-』(ダイヤモンド社)より
この戦略には、(1)関所戦略、(2)専門戦略、(3)専門市場戦略の3つの方法があります。
(1)関所戦略は、1社だけが占拠できるだけの小さな市場を見つけそこに居座る戦略です。
(2)専門技術戦略は、独自かつ異質の技術を持ち自ら基準を作り上げる戦略です。
(3)専門市場戦略は、独自の市場に関する専門知識で自ら基準を作り上げる戦略です。
これらの成功は、一般に目に触れないので解りにくいものですが意外と探せばあります。もう誰も参入しないトランジスターラジオ市場(ソニー)、パソコンなどにも部品として組み込まれているマブチモータ、国内の携帯電話のアンテナシェアが50%弱を占めるスタッフ社(社員は40名弱)などなど。
技術的なものが比較的多いのですが、トラベラーズチェックもこの例です。優雅に暮らすため真剣に考えてみませんか?
佐藤 等