価値の創造【経営のヒント 60】
『イノベーションと起業家精神-その原理と方法-』もいよいよあと2章を残すのみとなりました。第19章は「価値の創造」です。この章では、4つの戦略が述べられています。先ずは、効用戦略に関する一言から。
<ドラッカーの一言>
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効用戦略は、顧客にとって真のサービスは何か、
真の効用は何かを追及する。
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新訳『イノベーションと起業家精神-その原理と方法-』(ダイヤモンド社)より
ドラッカーは、この戦略の例として1837年にローランド・ヒルによって発明された郵便制度を紹介しています。しかし古代ローマ時代から帝国の隅々まで定期的な郵便は存在しました。何が違うのか?距離にかかわらず一定料金、しかも前払で切手を貼る。だれしもが手軽に、便利に利用できる仕組みを考えたということです。「真の効用」・・・手軽、便利。決して90%程度下がった料金が重要だったわけではないのです。宅急便といえば今や一般名詞ですが、本来はクロネコヤマトの宅急便の商標ですよね。それまで個別に家庭に届けるサービスが世の中になかったわけではありません。これも同じように、取りに来てくれて便利、料金がわかりやすく手軽に利用できるなどとった「真の効用」を捉えたので大きく成長しました。マクドナルドもそうでうですね。創始者がハンバーガーを開発したわけではなく、やはり「真の効用」を追求した結果なのです。品質、同質性、サービスの速さ、清潔さ・・などが効用ですね。従来のものを新しい価値で世に出す!イノベーションの真髄ですね。
佐藤 等