イノベーションの方法【経営のヒント 44】
ドラッカーは、第11章「イノベーションの方法」でイノベーションを実現する際に「なすべきこと」、「なすべきでないこと」、そして「成功させるための3つの条件」をあげています。今日は、そのうち「なすべきこと」から。まずは一言。
<ドラッカーの一言>
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イノベーションに成功するためには、
小さくスタートしなければななない。
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新訳『イノベーションと起業家精神-その原理と方法-』(ダイヤモンド社)より
イノベーティブな大掛かりな構想などの成功の確率はきわめて低く、多くの場合、調整や変更が必要になります。大きな投資などを行なって失敗するケースは、周りを見渡せばたくさんありますね。有効な変更がきくのは、規模か小さく資金などの投下資源が少ない場合だけです。「早く、小さく、速く」を心掛けたいものです。「早く」は着手時期が早いこと、「速く」はトライ&エラーのサイクルが速いことです。
ドラッカーは、この他に「なすべきこと」を4つあげています。
(1)イノベーションを目的意識をもって体系的に行なうためには、機会の分析からはじめなければならない。
(2)イノベーションとは、理論的な分析の問題であるとともに、知覚的な認識の問題でもある。
(3)イノベーションに成功するためには、単純かつ具体的なものに的を絞らなければならない。
(4)イノベーションに成功するためには、最初からトップの位置を狙わなければならない。
次回は「なすべきでないこと」についてです。
佐藤 等