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イノベーションの方法【経営のヒント 44】

ドラッカーは、第11章「イノベーションの方法」でイノベーションを実現する際に「なすべきこと」、「なすべきでないこと」、そして「成功させるための3つの条件」をあげています。今日は、そのうち「なすべきこと」から。まずは一言。

<ドラッカーの一言>
!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!
イノベーションに成功するためには、
小さくスタートしなければななない。
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新訳『イノベーションと起業家精神-その原理と方法-』(ダイヤモンド社)より

イノベーティブな大掛かりな構想などの成功の確率はきわめて低く、多くの場合、調整や変更が必要になります。大きな投資などを行なって失敗するケースは、周りを見渡せばたくさんありますね。有効な変更がきくのは、規模か小さく資金などの投下資源が少ない場合だけです。「早く、小さく、速く」を心掛けたいものです。「早く」は着手時期が早いこと、「速く」はトライ&エラーのサイクルが速いことです。
ドラッカーは、この他に「なすべきこと」を4つあげています。
(1)イノベーションを目的意識をもって体系的に行なうためには、機会の分析からはじめなければならない。
(2)イノベーションとは、理論的な分析の問題であるとともに、知覚的な認識の問題でもある。
(3)イノベーションに成功するためには、単純かつ具体的なものに的を絞らなければならない。
(4)イノベーションに成功するためには、最初からトップの位置を狙わなければならない。
次回は「なすべきでないこと」についてです。

佐藤 等

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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