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アイディアによるイノベーション【経営のヒント 42】

前回までにイノベーションの7つの機会をみてきました。第10章は、その付録です。章のタイトルは「アイディアによるイノベーション」です。具体的な例として、ジッパー、ボールペン、エアゾール缶などをあげており、特許のうち70、80%は、この類だとあります。何処からどう見てもボールペンは、立派なビジネスなのですが、アイディアによるイノベーションの機会は、リスクが大きく、成功の確率も小さい(失敗の確率が大きい)と続けています。この場合、焦点は失敗に当てています。しかもその失敗の確率を減らす有効な手立ても確立していないと言います。そして次の言葉です。

<ドラッカーの一言>
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起業家たる者は、いかにもろもろの成功物語に心惹かれようとも、
単なるアイディアによるイノベーションに手をつけるべきではない。
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新訳『イノベーションと起業家精神-その原理と方法-』(ダイヤモンド社)より

ドラッカーの言いたいことの第一は、起業家はまず成功確率の高いイノベーションの7つの機会に目を向け単なるアイディアについては、優先順位を最下位に置くべきということです。第二にそれにもかかわらず、その数が膨大であるため成功したときの新事業、雇用増などの経済活動の大きな源泉となるのでその社会的意義はあるということです。「単なるアイディアなのか?」この辺の判断は難しいですね。少なくとも継続してアイディアがでてくることが重要です。「1発当ててやろう」は、ビジネスではないですから。ベストセラーよりもロングセラーですね。

佐藤 等

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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