事業の目的は、顧客価値を創造すること【経営のヒント 709】
資源を富に代えるものは顧客だけである。
『経営の真髄』<上>p.169
企業の目的は社会の道具として、特定の使命を果たすことです。その使命を果たす手段として事業はあります。
その事業の目的は、顧客価値を創造することにあります。価値を見出した顧客だけが対価を支払ってくれます。コストセンターがプロフィットセンターになるかどうかは、顧客にかかっています。
それゆえ顧客が価値ありと感じてもらうことが最重要となります。顧客の欲求、関心、目的に意識を向け、それらを製品やサービス、提供プロセスに反映させます。企業が提供しているものは、手段に過ぎません。その先にある顧客の価値や満足を慮ることです。
それゆえ私たちは、「われわれは何を売りたいか」ではなく、「顧客は何を買いたいか」を考えます。顧客視点になることは、マーケティング思考そのものです。
「マーケティングの理想は販売を不要にすることである。マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、顧客に製品とサービスを合わせ、ひとりでに売れるようにすることである」。
佐藤 等(ドラッカー学会共同代表理事)