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「(われわれの)事業は何か」「何になるか」「何であるべきか」【経営のヒント 731】

「(われわれの)事業は何か」「何になるか」「何であるべきか」は、それぞれ別の視点から検討しなければならないということである。
『経営の真髄』<上>p.217

「われわれの事業は何か」との問いは、「われわれの顧客は誰か」「顧客にとっての価値は何か」を問うこととほぼ同義です。何を提供しているかを聞いているわけではなく、顧客が何をもって満足、効用を得ているかを問うています。常に難しい難問です。

「われわれの事業は何になるか」は、環境変化を加味するとどのよう変化していくかを問うものです。対象顧客が変化していないか。顧客が求めるものが変化していないか。このままいけばどうなってしまうのだろう…と考えることです。つまり変化を知覚し、機会を探索することにつながります。

「われわれの事業は何であるべきか」は、今日の事業と明日の事業は異なることを前提に考えます。昨日となった事業を破棄し、経営資源を解放し、明日の事業を創造するために新しい経営資源の結合を模索します。

このように異なるアプローチを要する3つの問いは、一つの組織の計画として実現させることが大切です。時間軸を考え、誰かの仕事とすることです。そのことを戦略計画とドラッカー教授はいいます。長期計画とは、事業をベースとした計画を戦略的に立てることです。コロナ明けには、とりわけ重要な計画です。

 

佐藤 等(ドラッカー学会共同代表理事)

 

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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