≪未来の大人たちのために≫
春の嵐が日本列島を駆け抜け、いよいよ長かった冬が終わりそうです。待ち遠しかった分、期待も膨らむ春です。思い起こせば、昨年は3・11の大震災で日本中が春の記憶がないまま電力不足懸念の暑い夏に突入しました。一年が経ち、桜を見る心の余裕も少しずつ取り戻すことができるようになってきたような氣がします。ツꀀ
「順逆を超える」、4月号の人間学を学ぶ月刊誌「致知」のテーマです。すべての記事を読ませていただき感じることは、逆境のとき順境を迎えるための心構えが芽生え・育ち、順境のとき慢心から逆境を招く種を蒔いているということです。
山あり谷あり、悪いときは悪い なりの良さがあります。松下幸之助翁は「好況よし、不況またよし」という順逆を超える言葉を残しました。良いときも倦まず、奢らず。鏡のような水面をイメージして過ごしたいものです。
さて、今年我が家では一番下の長女が中学校に進学、長男は寮を出て首都圏で一人暮らしを始めました。長女の将来の夢(なりたい職業)を小学校の卒業式で聞いてビックリ。初耳でした。過去に聞いた職業リストにはないものでした。大学に進学した従姉や一番身近な年長の友達(高校3年)の目指す姿に刺激されたのでしょう。ツꀀ
それにしても父親とは何と情報から阻害されているのかと少しがっかりする氣持ちも、人前で夢を語るわが子の姿の前に打ち消されました。
長男も先日東京の伯父の家にお邪魔し、これまた社会人の従姉や伯父達にボストンに行けなどとそそのかされ春休みに帰省し、興奮して話しています。親以外から社会という刺激に初めて触れた瞬間だったのではないでしょうか。親の限界を感じる以上に、様々な機会からもっと多くを吸収して欲しいと強く思いました。
あと十年もすれば、3人の子供たちは社会に出ます。子供の成長は早く、日本を託すのは彼らの世代。今子供たちにどのようなメッセージが必要なのか。それを誰から伝えるか。今年、某県の大学付属小学校の先生たち数名とじっくりお話しする機会がありました。未来の大人たちのために何ができるか。少し研究してみましょうとお別れしました。
それぞれの想いを胸に新しい春が始まります。記憶に残る春にしたいものです。
ナレッジアドバイザー 佐藤 等