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≪3つの実践≫

今日から衣替えをしましたが、季節の変わり目に始まったこと三題を書かせていただきます。

一.この10月から母校小樽商科大学からの「赤紙」により、ビジネススクール(大学院)で「起業と法」という授業を教え始めました。
 講演会やセミナーで話し慣れているはずなのに授業、つまり「教えること」の難しさを今更ながら実感しています。一言で言えば、話しすぎること。教えることは、聞くことだとあらためて確認させられます。新たな学びの機会に感謝です。

二.次は、この秋の大きな転機です。それは、1999年から仲間で運営してきた勉強会「起栄の会」の目的を転換したことです。
 9年目の活動に入った起栄の会は、会の名前どおり、起業家や新規事業に乗り出す企業家の支援を目的に始めたものでした。幸い長きにわたり運営することができましたが、ここ数年の企業の廃業率が開業率を上回る状況や、私たち世代の状況を考えたときに、新たな使命をもってリニューアルスタートするのがいいのでは、との結論に至り、目的を「事業承継」の支援に大きく変更しました。

 普段オーナー経営者とお話していると、財産承継のことを考えていなかったり、後継者の育成が後回しになっていたりする現状が多々見受けられます。むしろ万全ですという回答は皆無に近いのが現実です。

 私たちの経験が何かお役に立てるのでは、との考えでミッションを大きく切り替えました。継続してきたことを変えることは、とても勇気のいることです。しかし一方で、時期を逸することなく信念を持って変わることの大切さを実感させられます。「事業承継」という古くて新しい課題に取り組むことで、新しい氣づきが得られるものと楽しみにしております。

三.今年の法務会計プラザビアパーティーのゲストスピーカー遠藤友彦さんにお目にかかる機会がありました。
 遠藤さんは、愛称エントモさんで親しまれており、現在ウガンダから高校野球のチームを北海道に招待するプロジェクトを立ち上げて、私たちも応援しています。札幌の元教諭の小田島さんがそのチームの指導にあたり、ゼロから野球を教え、6ヶ月で生活態度まで変革させた奇跡のチームです。集合時間に集まらない。教室の床はいつも大量のごみだらけ。そんな状況を小田島さん自らが実践することで少しずつ生徒の意識を変え、今や朝の4時半には自主的に学校に集合し、掃除して自習をするまでに変わりました。

 野球の練習も礼に始まり礼に終わる。始末も見事。そんなチームから私たちが学ぼうというのが今回の大いなる目的です。6ヶ月あれば人は変わることができる。当たり前のことを当たり前にやっていないことに氣づき、皆で変わっていこう。「ありがとうっていえますか?」など「当たり前基準10か条」を習慣にする、そんなワクワクするプロジェクトに参加させて頂き、大いに感謝しております。

 この秋に始まったこと三題を書かせていただきましたが、これらに共通することは、目線を変え、姿勢を変えることで、いくらでも学ぶ機会を創ることができるということです。
 学びは、本の中にあるのではなく、実践の中にあるのだと実感させられます。

ナレッジアドバイザー 佐藤 等

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