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≪組織の雰囲気・・・「価値観」≫

 9月のこの通信でもふれました駒大苫小牧の香田誉士史(よしふみ)監督の言葉、「雰囲気作り。これは、とにかく必死になってやってきましたね」。
彼は、高校時代にも大学時代にも全国制覇を成し遂げています。そして得た一つの解。

 全国レベルの常勝チームには、「勝つ雰囲気」がある。
例えば、駒大苫小牧では、練習中でも選手たちの鞄がグランドに整然と並んでいる。練習中、必要以上(本当は必要なのですが・・)に声が出ているなどなど。チームの監督就任5年目くらいで少し手応えが、そしてついに昨年10年目にして全国制覇。チームの「雰囲気」によって選手が成長する、成長した選手がまたチームの雰囲気を高める好循環。

 企業もチーム。特に中小企業は1つのチームです。ここで敬愛するドラッカー教授の言葉です。
「組織に働く者が成長するとき、組織はさらに多くをなしとげる。(中略)しかも、組織が真剣さ、真摯さ、意識、能力において成長するほど、そこに働く者が人として成長する。」

 『変貌する産業社会』 P.F.ドラッカー
組織の真剣さ、組織の真摯さ、組織の意識、組織の能力、これらの成長がチームの構成員のレベルアップには必要不可欠です。この言葉は、香田監督が「雰囲気」と言ったものと同じです。
組織の価値観ということもできます。

 ドラッカー教授曰く「組織は、個およびコミュニティーの一員として人間が、社会に貢献し、かつ自己実現するための道具である」。
組織は、道具である・・・企業の役割の一つを言い当てた実に意識レベルの高い言葉です。「雰囲気」は、徐々に形づくられていきます。人が入れ替わっても雰囲気は変わらない、そんな「雰囲気」、「価値観」を創ることが経営者の役割だと思います。

 9月のこの通信で、私は「この強さは来年も続く」と予言しています。来年を待つまでもなく国体優勝、秋の神宮大会優勝という快挙を成し遂げてくれました。この「雰囲気」が変わらない限り、来年も甲子園で活躍しないわけがないと勝手に確信しています。

 さて本年も大変皆様には、お世話になりました。「税務博士」で書かせていただいているコラムの内容は、毎月開催している「経営塾」と「ビジネス塾」でお話している内容が多くを占めています。
来年から心新たに取り組む所存ですので機会がありましたら是非ご参加下さい(ご案内をご希望される方は電話でお問い合わせ下さい。担当:福土)。

 今年も残り少なくなり、今年一年を見つめ直し、来年の成果を誓う年末、年始が迫ってきました。敬愛するドラッカー教授は、毎年、毎年自己分析をすることで60歳を過ぎた頃、本当の自分の強みや役割がわかったといいます。先月号を皆さんに送り届けた翌日、ドラッカー教授は95歳でこの世を去りました。この言葉を聞く度、まだまだだと心から力が湧いてきます。

ナレッジアドバイザー 佐藤 等

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