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≪駒大苫小牧野球部の軌跡~強さの源泉 その②≫

 2000年から始めた雪上ノックや2003年から始めた竹ざおの打撃練習など技術面の工夫、挨拶・整理整頓の徹底といった精神面の修養もさることながら、観察力や判断力といった野球脳を徹底的に磨いたのが成功のポイントです。一例を挙げると、

・ゲームの帰りのバスの1時間以上続く選手主導のミーティング
・ボールを使わないで声だけでのカバー、中継などの守備練習(時に2時間も・・)
・ボールを使わないで行うワンヒットでホームへ還れる走塁練習  
などです。

 その結果、「ただのノックだけじゃ身につかない感覚がわかりました。あのランナーを刺すには○秒でいかないといけないとか。意識を高く持つようになりました。」とか「3塁にボールが返るまで○秒だから、沢井ならセーフだ。このタイムを縮めるにはどうしたらいいか」というような言葉が出るようになっています。

 選手みんなが全国レベルというビジョンを持って、具体的な目標を掲げて練習を積む、そこに駒苫の強さの源泉を見ました。この細かな取材は、田尻賢誉著「大旗は海峡を越えた~駒大苫小牧野球部の軌跡」(日刊スポーツ出版社)から得ていますが、読めば読むほどこの強さは来年も続くと確信させられます。

 考えてみれば、上記の対戦相手の監督の言葉「おおらかな・・・」は、思い当たる節があります。「北海道の経営者は・・・」というあの言葉です。そして体験したことのない全国レベル。まったく同じ構造ではないのか。ということは、解決の糸口は、まず全国レベルを知ること。そして具体的目標化、そのための工夫とチーム全体での共有。そんな単純なところに北海道浮上のヒントがありそうです。

ナレッジアドバイザー 佐藤 等

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