企業家精神について【経営のヒント 31】
前回の予告どおり今回も第1章からです。今日は、企業家精神についてです。「企業家」と「起業家」については、こだわりをもって「企業家」を使いたいのですが・・・。混乱を避けるため「起」を使って書くことにします。さっそくですが、今日の一言です。
<ドラッカーの一言>
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起業家精神とは、気質ではなく行動である。しかもその
基礎となるのは、直感ではなく、原理であり、方法である。
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新訳『イノベーションと起業家精神-その原理と方法-』(ダイヤモンド社)より
起業家精神と書くと何となく精神的な何か、つまりドラッカーが言う「気質」みたいに聞こえます。そうすると先天的に備わっているものというイメージがありますよね。精神を英語に置き換えるとスピリットですがアントレプレナー・スピリットとは言いません。アントレプレナーシップと言います。このシップ-shipは、接尾語で名詞の後について状態、身分、職、任期、技量、手腕などを表すと辞書にあります。手腕や技量ですから後天的に身につけられるものです。この辺は、日本語訳の難しさですね。ドラッカーは、それら技量などを「行動」にまで結びつけることを起業家精神と言っています。後天的に結びつけられるからこそ、その「原理」があり「方法」もあるのです。起業家精神が身につけれれる!私にとっては、新たな気づきでした。皆さんは如何ですか?
本のタイトルは「イノベーションと起業家精神」に続けて「その原理と方法」と小さく書いてあります。つまりこの本は、起業家精神を発揮して、イノベーションを起こす方法を書いた本だといえます。経営者にマネジメントが必要なように、企業家に起業家精神が必要なのです。しかも日常的に必要だと言います。この辺はまた機会をあらためて。
佐藤 等