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経営戦略【経営のヒント 25】

「経営戦略」って言葉、よく聞きますよね。今日は、ズバリ第13章「経営戦略」です。

ドラッカーによると戦略的に意思決定する領域は、(1)機会とリスク、(2)事業の範囲、(3)財務的な戦略、(4)組織構造であるといいます。今日は、機会とリスクに焦点をあててゆきます。事業においては、リスクを最小にするように努力するのは当然です。でも逃げばかりを打っていると、結局最大でしかも不合理なリスクを負ってしまいます。それは、<やらないリスク>です。

リスクは、(1)負うべきリスク(事業本体に付随するリスク)、(2)負えるリスク、(3)負えないリスク、(4)負わないことによるリスクの4種類に分けられます。(1)は、例えば得意先の貸し倒れなど事業を行なううえで日々負っているリスクです。(2)は、何か新しいことをやろうとして多少の資金と労力を失うという様なリスクです。(3)は、例えば何か新しいことにトライして完全に失敗した場合、破綻するというリスクです。(4)は、機会を逃がすリスクというものです。機会(チャンス)とリスクは、実は同じもので、裏表の関係です。同じものを見ていても、ある人はチャンスと言い、ある人は、リスクと言います。

<ドラッカーの一言>
☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!
リスクの有無を行動の基盤としてはならない。
リスクは、あくまでも行動の制約であるにすぎない。
☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!
新訳『創造する経営者』(ダイヤモンド社)より

リスクを小さくするという発想から機会を大きくするという発想に転換できれば、企業も経済ももっとよくなるかもしれませんね。何となく萎縮ぎみの昨今、考えさせられる一言でした。

佐藤 等

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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