未来を今日築く【経営のヒント 23】
今日は、第二部「機会に焦点をあわせる」の最終章(第11章)「未来を今日築く」という章です。章のタイトルを端的に表現した言葉が、今日のドラッカーの一言です。納得の一言です。
<ドラッカーの一言>
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未来を築くための仕事の目的は、明日何をすべきかを決定することではなく、
明日をつくるために、今日何をなすべきかを決定することである。
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新訳『創造する経営者』(ダイヤモンド社)より
この章でドラッカーは、<企業家>に触れています。企業家という言葉を作ったフランスの経済学者J.B.セイの言葉をもち出して次のように述べています。企業家とは、非生産的な過去のものに固定化された資本を使って、今日とは違う未来をつくるというリスクにかけるものである。このような企業家の明日を築くためのアプローチには、2つあります。
一つ目が「すでに起こった未来を予期すること」です。社会的、経済的、文化的な大きな出来事と、それらがもたらす影響との間には、時間差があります。変化はすでに起こっているが、その結果まだ出ていないもの、しかし将来に必ず出てくるものが<すでに起こった未来>とう言葉です。出生率の変化による将来の労働人口などが好例です。
二つ目は、「未来を発生させること」です。未来を発生させるためには、いかなる構想を実現するか決意し、そのような構想の上に、今日とは違う事業を築くことが必要です。最近「構想力」という言葉が一種の流行言葉となっていますが、まさにこのことをドラッカーは40年前に言っていたわけです。洞察力恐るべし!
ところで「企業家」と「起業家」。「企業家」と「経営者」みんな意味が違います。
この辺は、『イノベーションと企業家精神』を題材に後日!
佐藤 等