事業の何たるかを理解する【経営のヒント 20】
今日は、『創造する経営者』の第1部「事業の何たるかを理解する」の最終章です。
タイトルは、「これがわが社の事業である」です。何だか妙なタイトルではありますが・・。この章は、いわば第1部のまとめで第7章までみてきた1.業績をもたらす領域、利益、資源につていの分析、2.コストセンターとコスト構造についての分析、3.マーケティング分析、4.知識分析を統合して結論を出す章です。前の2つの分析は、内部から見た分析、後の2つは外部から見た分析です。分析の結果、次の点が明らかになります。
1.本当に重要な新しい知識として何を取得する必要があるか
2.現在の中核的な知識の何を向上させ、最新のものとし、進歩を図る必要があるか
3.わが社の知識のどこに再定義の必要があるか
「わが社の知識の再定義」こそが、今の日本の企業に最も必要なものです。今日本は、バブルに浮かれて「中核的な知識」を忘れ、あるいは最新のものとすることに怠けていたつけを払い続けています。そこで初めて、今日のドラッカーの言葉につながります。
<ドラッカーの一言>
☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!
エグゼクティブをして「これがわれわれの事業である」と言いうる見識、
「これがわれわれの事業のあるべき姿である」と言いうるビジョン、
そして「これが現在の姿から、あるべき姿への移行のための方法」
と言いうる方向感覚を与えてくれる。
☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!
新訳『創造する経営者』(ダイヤモンド社)より
第7章で「知識が事業である」としてますから容易に理解できると思いますが、どうですか皆さん、将来を含めた事業を「これがわが社の事業である」と果たして言えるでしょうか?なかなかの難問ですが、景気を理由に業績が悪いと言う前にこれらの分析を通じて「知識と事業を再定義」してみる必要がありそうです。
佐藤 等