利益、資源、見通し【経営のヒント 15】
今日は、第3章「利益、資源、見通し」です。関連性がわかりにくいタイトルです。これらの関係を簡単に言うと次のようになります。<利益>は売上に比例するが、コストは作業量に比例する。多くの場合、ごくわずかな<利益>しか生まない作業に経営<資源>を投入している。したがって将来の<見通し>をもって商品、サービスを選択し、経営資源を有効に使わなければならない。だいたいこんなところを言っています。
さて第3章から選んだドラッカーの一言です。
<ドラッカーの一言>
☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!
ある製品がリーダーシップをもつということは、市場や
顧客のニーズに最も適合しているということである。
☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!
新訳『創造する経営者』(ダイヤモンド社)より
ドラッカーが使う製品(サービス等含む)のリーダーシップという言葉は、一般的ではありません。独特の言い回しで、必ずしも市場シェアを握ることではないと明言しています。顧客にフィットすることが重要で、これがリーダーシップの定義だとしています。ちょっとニュアンスは違うのですが「主導権」といってもいいかも知れません。
さらに「非常に小さな特化した企業だけが、時として、自らのあらゆる製品とサービス、あらゆる市場と最終用途、あらゆる顧客と流通チャネルに関して、リーダーシップを握ることができる」と述べています。<非常に小さな特化した企業>がポイントです。<特化>とは、ユニークであること、マネできないこと、独自であることなどです。差別化とは違います。差別化は、同質の中で争うことです。たとえば「同じ焼き鳥屋だけど、うちは従業員の教育が他とは違う」などというのは、差別化です。特化・独自化は、オンリーワンの思考です。生き延びるための究極の思考です。
佐藤 等