創造する経営者【経営のヒント 09】
今回からは、『創造する経営者』を取り上げます。前回までの『経営者の条件』と『現代の経営』と本書は、ドラッカーの3大古典といわれています。本書は、1964年に著されています。ちょっと古いと思われるかもしれませんが、内容的には今年書かれた本といってもわからないくらい新鮮味があります。40年を経てなお心に迫るものがあり、まさに圧巻というに相応しい一冊です。
原著のタイトルは、『Managing for Results(成果をあげる経営)』です。成果は、前回までの『経営者の条件』でも取り上げられたドラッカーの大テーマの一つです。
成果に関する名言中の名言が本書にあります。
<ドラッカーの一言>
☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆
成果や資源は、企業の内部にはない。いずれも企業の外部にある。
☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆
新訳『創造する経営者』(ダイヤモンド社)より
皆さんどうでしょうか?簡潔にして本質をついた言葉で、私なんかは、おもわず「美しい!!!」と感嘆符3つものです。企業は、企業の外部の世界、すなわち市場で成果をあげるために存在するということを端的に教えてくれる言葉です。
ドラッカーは、本当は『事業戦略』と本書にタイトルをつけたかったと1993年の日本語訳の”まえがき”で告白しています。当時は、戦略は軍略用語で皆に反対されたので取りやめたと述べています。当時としては<超先端的>、今もしこのタイトルならば<使い古された>ということになるでしょう。ドラッカーご自身も著名を変えたことに満足していると述べています。
さて次回から本題について、お話したいと思います。本当に名言、珠玉の言葉が次々と出てきます。「未来は明日つくるものではい。今日作るものである。」とか「卓越性だけが、利益をもたらす。」などいくつもあります。是非ご期待ください。
佐藤 等