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多角化の核【経営のヒント 366】

今日も第57章「多角化の核」です。
今日の一言です。

<ドラッカーの一言>
!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!
異質の市場に多角化していくには
共通の技術が必要である。
!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!

『マネジメント<下>』p.139 1973年 ダイヤモンド社

前回、多角化には2つの方法があることを述べました。
市場と技術です。
多角化が容易なのは、市場の多角化です。
今日は、難易度の高い技術の多角化がテーマです。

ドラッカー教授は、技術を軸とする多角化には守るべき原則が5つあると指摘しました。

1)技術は個別具体的であること
―それは理論ではなくスキルであること

2)核となる技術は際立ったものであること
―自らの製品に市場におけるリーダー的な地位をもたらすこと

3)核となる技術は周辺技術ではなく中核技術であること
―この原則に反すれば失敗する

4)戦略が必要であること
―「その技術の最善の活用方法は何か」を問うこと

5)マーケティング上の知識と戦略を必要とする
―顧客をよく知ること

中核的な際立った技術を柱にした、よく練られた戦略が技術で多角化する原則です。
これは技術には限らない原則です。
ノウハウレベルのものでも、中核的な際立った存在であることを意識すべきです。
際立った存在とは、独自化を目指す試行です。
長く成長を続ける秘訣の一つです。
それは、すべてのビジネスに共通するスタンスでもあります。
何を独自化するために磨いていくかを定めることは重要なポイントです。

佐藤 等

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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