多角化の核【経営のヒント 367】
今日も第57章「多角化の核」です。
では、今日の一言です。
<ドラッカーの一言>
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事業のためではなく多角化のための
多角化は、当然、誤りである。
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『マネジメント<下>』p.153 1973年 ダイヤモンド社
多角化は手段であって、目的ではありません。
「隣の芝生は青く見える」とドラッカー教授は、よく知られている言葉を使い警鐘を鳴らしました。
そして口にしがちなこんな言葉を紹介しました。
「この業界ではせいぜい資本収益率は6%である。あの業界では楽々20%を実現している。
あの業界の会社を安く買収しよう」。
資本収益率を問題にすることは、財務的な理由で多角化を行うことともいえます。
財務的な理由で多角化を考えることは間違いです。
ドラッカー教授は「机上の空論」と切って捨てました。
資金の手段であり、多角化も手段です。
目的は事業になければなりません。
その他にも無効な多角化を指摘しています。
・資本財と消費財の景気循環を補完しようとして行う多角化
・体質的に一致しない多角化(大手製薬会社の多くが化粧品や香水に進出し失敗と指摘)
共通の市場、もしくは共通の技術を核とする多角化がセオリーです。
これに反して行われる多角化は多くの場合失敗します。
何事も原則に沿って行うことが大切です。
佐藤 等