マネジメントは体系である【経営のヒント 663】
体系としてのマネジメントを理解しているならば、マネジメントのスキルに優れていなくとも、一流のマネジメントとして成果をあげることができる。
『経営の真髄』<上>p.35
マネジメントとは体系であるという。個別のスキルではなく、体系が最も重要であるということです。
冒頭の文章に「逆に、体系としてのマネジメントを理解していないならば、どれほどスキルに優れていようとも、到底マネジメントたりうることはできない。せいぜい専門家止まりである」が続きます。
一流のマネジメントになるか、専門家にとどまるのか。その分かれ道に「体系」があるのです。なぜか。
マネジメントの体系とは、個々のスキルを納める道具箱のようなものです。仕切り板は、目的を示し、そこに適宜必要なスキルや能力が収納されています。大きな仕切り板は4つです。事業のマネジメント、仕事のマネジメント、人のマネジメント、セルフマネジメント。
たとえば、セルフマネジメントという収納場所には、成果をあげる5つの習慣的能力という能力が収納されています。イノベーションは、事業のマネジメントに、生産性は、仕事のマネジメントなど収納場所は決まっています。つまり体系を知っていれば、必要な時に必要なものを取り出せることを意味します。
また体系を知れば、自社に足りないものを俯瞰的見ることができます。また4つの体系の間には、相互に関連性があり、どの順番でマネジメントを導入すればいいのかなどもわかるようになります。
マネジメントの体系を理解することが一流のマネジメントへの道を拓きます。体系の習得からはじめてみてはいかがでしょうか。
佐藤 等(ドラッカー学会理事)