多角化のマネジメント【経営のヒント370】
今日も『マネジメント』<下巻>の第58章「多角化のマネジメント」からです。
では、今日の一言です。
<ドラッカーの一言>
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同族企業のマネジメントたる者は、自らの成功が自らを
変える日のための準備をしておかなければならない。
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『マネジメント<下>』p.181 1973年 ダイヤモンド社
やや唐突に「多角化のマネジメント」のテーマに「同族企業」が取り上げられました。
ドラッカー教授は、ある程度の規模の大きさを超えると
同族で経営することが不可能になる、
それはトップマネジメントの人材がボトルネックになるからだと、
指摘しました。
同族企業における特性は、地位や肩書きにかかわらず
権威と影響力をもっているということです。
それゆえドラッカー教授は「実力によってトップマネジメントの
一員としての敬意を受けるに値しえないのであれば、
社員としておくことは間違いである」と厳しく指摘しました。
したがって、規模の成長とともに同族一色のマネジメント・チームから、
非同族を加えたチームへ、さらに大規模企業ともなれば非同族一色で
構成されるようにしなければなりません。
「自らの成功」とは規模の拡大であり、そのことが上記のような
マネジメント・チームの質の変化を求められるのです。
「自らを変える」とは、マネジメントの一線から退き、
所有者としての地位に徹することを意味します。
成長を志向する同族会社は、成長を目標としながら
大規模会社になったなら、自ら退く準備もしなければならないことを
意味します。矛盾とも思える真理です。
世に同族会社は数多く存在します。
大会社ならずとも、非同族者をマネジメント・チームに迎えいれることは
一つの成長のステップです。
妥当な時期に適切に求めるという可能性を念頭に
マネジメントを行っていきましょう。
佐藤 等